自治体向けサービス
自治体では「市民向けサービス」と「職員向けのサービス」を提供しています。
職員向けには階層別研修や、チームづくりのためのワークショップもニーズに
合わせて提供しています。詳しくは「企業向けサービス」をご覧ください。
市民向けサービス
市民のためのキャリアセミナー

人生100年時代、誰もが自分の生き方を模索しています。この先どう働いていくのか?自分にとっての楽しい時間とは?自分の住む町で居場所をつくって、安心して住まうにはどうしたらいいのか?不安を感じることが多い現代だからこそ、暮らす地域で貢献する場所、安心できるつながりを自らつくるというマインドが必要です。
《プログラム全体の構成》
セミナーを受講した後、近くの福祉施設、市民活動団体でボランティア体験に参加します。

《期待される成果》
1 住民に「自分のキャリア(今後の人生)」を考える場を提供し、地域で生きる力を高めます
2 セミナーで交流し、住民同士のつながりをつくります
3 越境学習にでかけることで、住民と福祉施設や地域の活動団体とのつながりをつくります
その結果、お互いに助け合う関係をつくり、自律した地域の担い手を育てていきます。
フェーズ1 キャリアセミナー
《キャリアセミナーの目的》
1)これまでの自分を振り返り、興味や強みを確認する
2)今後の理想の姿を描きだす
3)そこに近づくための最初の一歩を考える
4)その過程で地域の知り合いをつくる
Day1
キャリアのよりどころを見つける
これまでの人生の歩むを振り返り、「自分は何がやりたいのか」「自分は何が得意か」「自分は何に意味を感じるか」を探ることで、キャリアを考える際のよりどころを探ります。
Day2
無形資産の状況を
理解する
無形資産とは『ライフシフト』という書籍で紹介された概念で、人生100年時代を歩むためには、お金や家・車などの有形資産に限らず、無形資産を蓄えることが有効だとされています。
<3つの無形資産>
・生産性資産 お金を得るために必要なスキル、知識、仲間などの要素
・活力資産 健康、バランスのとれた生活、友人関係、家族など活力を維持する要素
・変身資産 変化やなじみがない世界に適応するために必要な考え方や行動力
Day3
ビジョンをつくり越境学習について学ぶ
越境学習とはなじみのある居心地の良い場所を離れ、知り合いがいない、言葉もわからない場所で働く経験から学習すること。自分から質問する、相手に配慮しながら意見を伝えるなど新しい職場や地域活動などにうまく適応していくために必要な力=無形資産の形成に役立つと考えられます。
フェーズ2 越境学習
越境学習とは 「ホームとアウェイを往還(行き来)することによる学び」
ホーム:良く知っている仲間がいる、居心地のよい慣れた場所。一方、刺激の少ない場所でもある。
アウェイ:言葉やルールが通じない、見知らぬ人達がいる居心地が悪い場所。しかし刺激がある。
石山恒貴/伊達洋駆著『越境学習入門』 P28を一部変更して引用
フェーズ2では自治体が仲介し、地域の福祉施設、活動団体とセミナー参加者をマッチングします。行先が決まったら月数回、3ヶ月程度ボランティアとして活動します。
活動中は講師が個別に相談にのったり、体験からの学びを収穫したりします。
《越境学習の目的》
越境学習で考え方やコミュニケーションの力を高め、自分らしい人生を送ることを目指す
オリエンテーション
2時間
・越境学習について学ぶ
・ボランティアの心得
・越境学習の目的
・事前準備の仕方
越境学習実施
3ヶ月~
約3ヶ月にわたり、越境先の施設や団体にでむいて、仕事を体験します。わからないことがいっぱいで辞めたくなることも!
個別フォローアップ
セミナー講師が越境者と個別に面会。活動の様子をヒアリングし、悩みや不安があれば、傾聴やコーチングで学びを支援します。
フォローアップ
2時間
ひとりひとりがキャリアセミナーから越境学習までの約半年を振り返り、うまくいったこと、進んでいないことを明確にするとともに、経験からの学びを収穫し、次のアクションを決める。
・越境体験のストーリーを聴く/自分のアクションプランの振り返り
・行動を阻む認知と対処法(無形資産アセスメントで平均点が低かった項目についての情報提供)
・次のアクションプランの作成
3年後には・・・
卒業生のネットワークが
できます。
卒業生からセミナーの
ファシリテーターを育成
します



市民が市民にセミナーを
提供。相談にも対応し、
支え合いを生み出す
インフラをつくります
導入事例 東京都清瀬市
<フェーズ1>キャリアデザインセミナー

参加者アンケート
5点満点で
満足度 4.6
役立ち度 4.7
【グループワークの例】
自分史を元に、参加者の力を
借りて自分の強みや興味を
見つけます。

【オリジナルアセスメント】
人生100年時代を生き抜くには「無形資産」が必要です。自分の無形資産の蓄積状態がわかる簡易アセスメントを実施し、強化したほうがいいものや使えるものを理解します。

【成果物】
理想の未来を自由に描きます。そこを目指すためのアクションを決めて終了します。


《参加者の感想》
•人生を立ち止まって考える良い機会になると思います。自分だけではなかなかできませんが、他の参加者の方と
一緒なのでできるのかなと思います。(60代男性)
•自分にとってとてもタイミング良く、ママ友中心の知り合いが多い中、初めて違う人とご一緒させていただきました。これまでを振り返りながら、一歩踏み出す勇気をいただきました!(50代女性)
•多くの気づきがある素晴らしいプログラムだと思います。人数規模もちょうど良く、お互いの顔や性格がわかる
人数でした。(50代男性)
•久しぶりに勉強した感じがしました。残りの人生いかに生きるか真剣に考えました。(70代男性)
•一歩を踏み出せるきっかけを作ってくださりありがとうございました。(50代女性)
•学びの多い時間を過ごせて幸せでした。ものごとの+ー両方見て進んでいきたいです。(50代女性)
清瀬市議会議員
星野玲子さん
“私も参加しましたが、こうありたいという未来の自分をゆっくり考えられたことが良かったです。参加者同士でこれまでの人生を分かち合い、質問やアドバイスをし合ったことで、相互によく知る機会になっていたようでした。若い世代の人々にも提供してもいいかもしれません。"
清瀬市地域振興部長
植田貴俊さん
"受講者の皆さんが楽しそうに参加していて、終了後も会話が絶えなかったことがとても印象的でした。本セミナーの受講によって、市民活動の広がりを図る上で課題とされる、それぞれの価値観の違いから生ずる思い込みなどに気づき、そしてそれに固執する必要がないことを共有できたことは、市民参画をさらに促していくための貴重な第一歩になったと思いました。"
<フェーズ2> 越境学習
キャリアセミナー終了後に越境学習参加希望を募集しました。参加者には希望する施設、領域等を確認し、自治体と社会福祉協議会の協力で、ボランティア先をマッチング。行先が決まった段階で、オリエンテーションを開催しました。

(事例)子供に関わる施設で越境学習したAさん
最初のとまどい
何をすればいいのか
わからない・・・
小さなお子さんをケアする施設でボランティアを開始した後は、特に指示があるわけではなかったため「自分は何をすればいいのだろう?」「これで大丈夫かな?」と不安を感じながらの活動だったようです。
そこで・・・
思い切って質問して理解をつくる
わからないことは訊けばいいのです が、知らない場所では遠慮したり、タイミングをつかめなかったりして質問するのは難しいものです。しかし「わからなければ訊く」を越境学習の目標にしていたAさんは、できるだけ遠慮せずに聞くようにしたところ、次第に勝手がわかるようになってきました。
さらには
自分のモヤモヤの正体に気づき、自分で解決することに
2か月たったころ、講師とこれまでの越境体験について振り返りました。子供とのふれあいには満足しているものの、スタッフと交流が少ない様子が気になった講師がそのことを指摘すると「自分のモヤモヤはスタッフと話ができないことにあるのか」と気づいたAさん。ボランティア同士の交流機会について質問したり、自分の気持ちを伝えてみたりすることになりました。
Aさんは無形資産アセスメントの結果で「きちんとやらなければ」と考える傾向がありましたが、その考えに縛られることなく「できなくても大丈夫」「わからなければ遠慮せず確認しよう」と考えて、それを実行してみました。
途中、やめたくなる時期もあったようですが、「すぐに辞めずに少し頑張ってみる。弱いつながりも今後活きてくる」というセミナーで聞いた話を思い出して続けた、と言っていました。子育ても終わり、改めて子供と触れ合うことで元気ももらっているようです。
今後はスタッフとの関係も深めて、地域の中で施設とご自身が助け合える存在になっていただくことを期待したいところです。
Aさんにとっての越境学習の成果とは

(事例)介護施設で越境学習したBさん
*清瀬市の事例ではありません
最初のとまどい
これで越境学習に
なっているのか?
ボランティアを開始した当初はすべてが新鮮で、ほめられて嬉しくなったりしましたが、毎回調理をするだけで特に変化がありません。「調理する人」と思われているようで、それが不本意でもありました。もっと色々な経験やコミュニケーションがあると思ったのに、がっかりしてしまいました。
そこで・・・
講師に現状を報告。
質問されて・・・
2か月後、そうした気持ちを講師にメールで伝えたところ、次のような問いかけがありました。「何のために越境学習を選んだのでしたか?」「どんな人と思われたいのでしょう?」「本当に学ぶことがないのかな?」「(自分のできることで)施設への恩返しはしましたか?」しばらく考えたBさんは施設長に「違う体験もしてみたい」ことを相談してみました。
さらには
枠を飛び出し、自分ができることを考えて・・・
すると、食事作りの後に利用者であるあるお年寄りに付き添う役をやらせてもらうことになりました。顔を覚えて声をかけてくれる人もできましたが、認知症の人とは会話が難しく、もう少し勉強したいと思ったそうです。また、企業のオフィス業務をしているBさんにとって、ボランティアの受け入れマニュアルをつくったり、得意の折り紙をレクレーションで実施したりといった提案はできそうだと感じたそうです。仕事と家庭の両立に加えてのボランティアであり、すぐに色々できるわけではありませんが、1年を過ぎても越境学習を継続しており、今後も何等かのつながりを持ちたいと話しています。
Bさんにとっての越境学習の成果とは
Bさんは大手企業にお勤めのため、ボランティアに入ってすぐに自分から意見をしたりすることなく、信頼関係を築いてから発言する姿勢を自然と理解されていました。むしろ、もっと積極的にご自身の力を発揮してもいいのでは?と思うほど誠実さと忍耐力を発揮されていました。しかし、同じことの繰り返しでは、期待した学びが得られません。相手に配慮しながら施設長に相談した会話力もご自身の強みを確認する機会となりました。企業で培ったノウハウを施設に提供できれば、施設にとってもメリットがあり、ご自分のスキルの価値も評価もできると思うので、時間ができれば自発的な提案にも挑戦していただきたいところです。ご近所の施設であるため、今後も施設と関係を維持していきたいとのことで、退職後の居場所としても可能性がありそうです。